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厳冬期阿弥陀岳バリエーションルート

 

こんにちは、三条店 坂上です。

今まで冬山は、もっぱら一人で登っていた私。

とある日、デナリなどの海外の登山歴もある中澤さんから、同じ三条店スタッフの阿部と一緒に、三人で冬山登山のお誘いを頂きました。

 

お誘い頂きましたのが

『厳冬期の阿弥陀岳バリエーションルート』だったのでした。

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『バリエーションルート』とは

「登山での、一般のルートとは違う、より困難な登路」の事で

登るのにロープなどの特別な道具が必要なルート。

一歩間違えば、、、な、登山道の事なのです。

 

ある程度、登山を経験した人が更なるレベルアップで目指す上で対象となる『バリエーションルート』

しかも、積雪量、風、気温、トレースの有り無し、氷の状況など不確定要素が多い厳冬期。

そんな厳冬期阿弥陀岳バリルートを登って参りました。

 

まず目指したのが「阿弥陀岳南稜」

冬季バリルートとしては入門向けのルートとして有名です。

 

三条から車で4時間ほど掛けて八ヶ岳へ

阿弥陀岳への直登出来る登山口で有名な舟山十字路から、、、と思いましたが、路面凍結により1kmほど手前までで断念。

この時期はスタッドレス+チェーンが必須の要ですね(汗)

早速、不確定要素に遭遇しましたが、めげずに歩き始めます。

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三人ともテンション高めです(笑)

 

2時間ほど歩くと「立場岳」へと着き、そこからもう少し歩くと、目指す阿弥陀岳がドスンと見れる「青ナギ」に到着。

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良い景色に三人ともテンション高めです(笑)

 

更に歩き、標高を上げていきます。

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この日は、基本危険な箇所は無く、時間にも余裕を持ちながら歩きました。

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森林限界を越え岩稜帯に入りかけ、南稜の核心部手前の所で、テントを張り1日目の工程は終了。

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いつも冬はマット2枚構成で挑んでおりましたが

この日の荷物を軽くする為に購入したニーモのマット「テンサー アルパイン」が、とても快適でした。

冬のテント泊でも、これ一個あれば地面の冷気を防げて快眠出来たのでオススメです!

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http://www.iwatani-primus.co.jp/products/Nemo/tsap-rm.html

 

寝床が出来た所で夕暮れを迎え、このルートならではの最高の景色を見る事が出来ました。

 

紅く染まる「阿弥陀岳南稜」

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紅く染まる八ヶ岳最高峰「赤岳」

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アーベントロートの景色を楽しんだ後、2日目の核心部越えに向け早めに眠りに着きました。

 

 

2日目

朝日が昇るのと同時に、ハーネスを履いたりなど準備を終え、歩き始めます。(朝陽を浴びる中澤さん)

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阿弥陀岳南稜は「P1~P4」と、4つの核心部となる岩稜越えに、それぞれ名前が付いております。

P1とP2はいつの間にか通りすぎている位の箇所となり、P3からが南稜の本当の核心部となります。

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P3手前の中澤さん(山の男カッコイイっす!)

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P3は手前がトラバース道となり、片側が切れ落ちており、狭い足幅の箇所でセルフビレイを取り、安全を確保した所でロープを出し、ビレイをしながら、トップの中澤さんに登って貰う形となります。

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P3にある通称「ガリー」

高さ60m以上の高さの氷交じりの雪壁を、ダブルアックスを駆使しながら登ります。

トップで登る人は、支点を作ったりしながら登らないといけないので、一番危険な役割になります。

トップで登っている中澤さん、凄いな~っと、ビレイをしながら見上げて感心しておりました。

(登りきった中澤さんが撮影した、ガリーを登り中の阿部さん)

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、、、、、

危ない所は写真少なめです!

 

そして

ガリーを登りきった所でポーズ!

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しかし

 

P3が終わってもP4が残っておりました。

P4は夏だと比較的通過は楽そうですが、厳冬期になると岩は全面氷となり、氷壁に足場の少ないトラバース道。

しかも支点が無くロープが使いづらい、、、

少しでも足を滑らせれば、、、

ミスは決して許されない、、、

私はP3より恐怖でした(汗)

 

なんとか、かんとか

P4を越えると、もうそこは阿弥陀岳頂上となっておりました。

今まで歩いて来た道が上から確認できます。

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三人とも登りきり安堵の握手!

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そして記念撮影!

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頂上での一時を終え、行者小屋に下ります。

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絵になる阿部さん。

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行者に下った後は、再びテントを張り、日が暮れると共に就寝ZZZ

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3日目

昨日とは打って変わっての曇天の中、今度は同じく阿弥陀岳バリエーションルートで人気の「北稜」を登ります。

2時間ほど歩き北稜に取り付き標高を上げていくと、徐々に斜度が上がり、バリエーションルート感が上がっていきます。

南稜と比べ、登る距離は短くなりますが雪壁や岩壁登り有り、ナイフリッジの通過有りと、普通の登山道歩きとは違う楽しさがあります。

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北稜を登りきり記念撮影。

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下山路は吹雪いていたので一般登山道の御小屋尾根から下山。

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少々長かったですが下山すると、八ヶ岳らしい青空が広がり、無事に帰ってこれた事に安堵しました。

 

 

 

初めての厳冬期バリエーションルートでしたが

一人では登れない難しいルートなのですよね。

だからこそ、みんなで無事に登れた時の達成感は、ソロでは決して得られないものでした。

 

山の楽しさを、またひとつ学ぶ事が出来た山行となりました。

中澤さんお誘い頂きありがとうございました!

 

 

三条店 坂上

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