こんにちは!新潟店のシチクです。
一般登山道としては、日本で一番険しいといわれる剣岳。
北アルプスの北端に位置し、新潟からの距離は近いのに、
その難ルートゆえ近づきがたい遠い存在としてそびえたちます。
その剣岳の数あるルートの中でも、北アルプス三大急登を有する、
早月尾根ルートを1泊2日で旅してきました。
今回の移動は車。
前日に新潟市を出発し3時間半かけて馬場口にはいり前泊します。
私の行った7月31日は、朝から快晴で
標高が700mほどあるにもかかわらず、気温は30度近くまで上がりました。
「試練と憧れ」「岩と雪の殿堂」
早月尾根の登山道入り口にあるこの有名な石碑は、
剣岳へ入山するものへ決心を問いかけてきます。
1日目は4時間半かけて早月小屋まで標高差1500mのぼりテント泊。
残雪で涼みながら樹林帯の尾根線を進みます。
標高2000mくらいから先は、新しく藪を切り開いて作られた登山道。
一気としては日本一の登りと呼ばれる早月尾根は、
斜度というよりも、小屋直前の土と草ですべる足場にひと苦労。
初日の目的地、早月小屋についたらテント場はすぐとなり。
この日出会い、同じ苦労を共にした仲間たちとビールを飲み、夜は更けていきました。
2日目も雲一つない絶好な快晴。朝5時に出発です。
まずは、早月尾根ルートをさらに山頂まで3時間半かけて登りピークハント。
7歳のときに立山からみた剣岳の山容には、
ただただ圧倒されて絶句したのを覚えています。
その地を、今自分の足で登る一歩一歩に、あの時の興奮と感動がよみがえり。
ついつい顔は笑顔に、足はコースタイムの倍速に。
山頂へ着くと、別山ルートから登っている人たちが続々と合流。一気ににぎやかに。
アルプスの山々だけではなく、富士山までくっきりと眺めることができました。
今回2日目は、一般的なピストンではなく、山頂からそのまま室堂方面の別山ルートへ下り、
剣岳名物のカニのよこばい、カニのたてばいを1時間半かけて満喫。
その後、山頂へ登り返し早月尾根を2200m下る、12時間の行動時間で組みました。
まずは、下りのカニのヨコバイ。そして、山頂へ登りかえしてカニのタテバイも。
前後の鎖場もかなり険しく、楽しめ、岩山が好きならいるだけでも幸せになれます。
岩のごちそうを頂いた後は、真夏の北アルプスを2200mひたすら下っていきます。
大人になった今、テントを背負って踏みしめる剣岳単独行は、
自分が山を好きになった原点を感じる感慨深い山行となりました。