ようやく新潟も梅雨入り。今回はレインウェアのお話です。最後までお付き合いください。
前回のHAH(Hybrid Ablazer Hoody)に引き続き、同じくThe North Faceが送り出すSUMMIT SERIESの一角、
FL Parabola JacketとFL Parabola Pantをご紹介します。
ちょっと長いので、FLPJと、FLPPと略します。FLとは、同社で開発されたメンブレン「フューチャーライト」の略です。高い防水性を誇り、周囲が高温多湿な環境下でも常にウェア内の蒸れを排出し続ける通気性も持ち合わせています。
ハードシェルにも採用されており、ハイクしながらもウェア内は蒸れにくく快適さを維持できるとして高い評価を得ています。
FLPJの特徴として、非常に軽量、高い強度、高い通気性、が挙げられます。
重量としてはLサイズで約165g。T社の最軽量モデルで約190g、M社の最軽量モデルでも約168gとトップクラスに軽いことがわかります。
しかし、軽さと強度はトレードオフになりがち…なんですが、このFLPJは肩口、前身頃、袖に強度の高いポリエチレン糸をのリップストップを配置しており、強度も確保しています。スレが気になる岩稜帯でも積極的に着られる一着です。
最近の自分の持ち物で、ウィンドシェルが留守番することが増えました。というのも、軽量のレインウェアはウィンドシェルになり得る、という使い方が多くなり、確かにウィンドシェルのほうが軽くて蒸れないということもあるんですが、どうせレインも一緒に持っていくのなら、、とレインウェアにシフトしています。
また、例えば雨で体を濡らしたくない。しかし登りが続きどうしても着続けていると体が蒸れる という時も、フューチャーライトの高い通気性が、それを軽減してくれます。
昨年登った槍ヶ岳がまさにそうでした。槍沢キャンプ場から天狗原分岐までは霧雨続きで、レインは着ながらもジッパーは全開、という矛盾したシチュエーション。トータルで考えると自分の今の使い方に合っているなぁ と思います。
軽量になるといろいろ装備が省かれているんでしょ と思うのですが、そこはサミットシリーズ。例えば軽量モデルの袖口はシャーリング仕様のものがありますが、FLPJは面ファスナーで止めてアジャストできるので、袖口から雨や滴る水が入るストレスを軽減します。
フードもツバにしっかりワイヤーが入っていて、微妙な調整が可能です。ドローコードも後頭部側、口元側と付いており頭の形にフィットさせることができます。さすがにヘルメット対応ではないので、ご留意を。
裾はドローコード付きで、これまたアジャスト可能。風が吹いてきたときに裾から風が入ってきてバタつくのを抑えます。ポケットも装備されていて、逆によくここまで付けて軽くできたな と思います。
さらに驚いたのはシームテープの細さ。各社フラッグシップのレインのシームテープを見ると、約14mm。このFLPJとFLPPは約9mm。ダントツに細いです。シームテープは透湿しないので、フューチャーライトのメリットを最大限活かせる仕様になっています。
次にFLPP。これはさらに特徴的です。
サイドフルジップのレインウェアです。フルジップのレインパンツというと実はそんなに珍しくなく、M社やB社が出しております。メリットとしては、靴を履いたままでも、左右分割してパンツが履けるという点です。レインウェア履くために靴脱いで なんてしたくないので、これは大きなポイント。
フルジップとは言わず、脹脛ぐらいまではジッパーが開くタイプも多いですね。
また、フューチャーライト採用は名前の通り、非常に軽量なところ(約140g)も特徴ですが、一番はパンツを着用したまま、腰回りに固定して簡易的な収納ができること。これが面白いところです。
この2本のバックル付きベルトをつなげて
サイドジッパーを完全に外します。
前側を持って1枚の開き状態に。
後ろに持っていき、腰回りにくるくると丸めてあげます。
これでいちいちレインパンツをザックから出したりしまったりする手間がかなり省けます。
強度が必要な臀部や股下は、FLPJと同じくポリエチレン糸のリップストップで強化。
どちらも、昨今のギアの軽量化を踏まえたうえで、使いやすく、洗練されたプロダクトになっています。サミットシリーズ自体は価格面も含めて万人におススメできるものではないですが、ハマる人にはとことん使えます。
今シーズンぜひ手に入れて使い倒してみてください。
WEST三条店
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