前回の小川山に引き続き、私とKさんの2人パーティで同じ奥秩父エリアの瑞牆山へ行って参りました。
瑞牆山は70年代には岩にボルトを打ち付けラダーなどで岩場を登る人工登攀(とうはん)と呼ばれる手法で登られることが多かった場所でしたが、80年代に入ると小川山と同じくロープなどの安全確保の為の最低限の道具の身を用い己の手と足のみで登るフリークライミングが開拓され始め、現在も多くのクライマーたちを魅了し続ける岩場です。
植樹祭の駐車場に車を止め外に出た瞬間感じたことは「とりあえず寒い!」ただそれだけでした…
ふとマルチピッチではなくショートルートを登ることも考えましたが、ここまで来たら目的のルートを登るほかありません。
瑞牆山でのクライミングは今回が初めての為、早く登りたいという気持ちをウズウズさせながら目的のルートへと向かいました。
その目的の場所は十一面岩奥壁と言う場所にある比較的最近開拓された「Joyful Moment」(5ピッチ 5.9)のマルチピッチルートになります。
十一面岩は「じゅういちめんいわ」が正式な呼び方ですが、クライマーの間ではもっぱら「といちめんいわ」と呼ばれています。
アプローチ途中に現れる十一面岩末端壁
少し道を迷いながらも駐車場から歩くこと1時間30分ほどで取り付きへとたどり着きしました。
あまりの寒さにレインウェアを上下着込んでから、ハーネスを履き、ヘルメットを付け、ギアを整え準備完了です。
※今回2人ともレインウェアが赤色なので見分けがつきにくいです(笑)
1ピッチ目(5.9)は左斜めに走るクラック沿いに登ります。
2、3手動かしたところで岩肌が冷たく手の感覚が無くなってきました。
1ピッチ目の終了点である潅木に着いた時に着用したビレイ用革手袋がこんなにも暖かいものかとありがたみを感じました。
終了点からは車を止めた駐車場(画像真ん中右あたり)がよく見えます。
2ピッチ目(5.6)はKさんがリードで進みます。
腹ばいトラバースと呼ばれる箇所で文字通り少しせり出した岩をハイハイしながら通過します。
2ピッチ目途中より3ピッチ目出だしの顕著なフレーク
3ピッチ目(5.9)は私がリード。
ここはフレーク状のクラックを掴みながら登ります。ガバが多くすいすい登ることが出来ます。むしろ風も岩肌も冷たく早く登りたいところ。
プロテクションはカムメインですが古いボルト、ハーケンがもあります。使用の際は自己判断で。
3ピッチ目の終了点はカム3つを使い作成しました。
4ピッチ目(5.8)はワイドクラック。トポには「リービテーションが気持ちよく決まる」と書いていますが1回しか使いませんでした。
Kさんも軽快に登ります。
最終5ピッチ目(5.7)は難しいところはありませんが、ガスの影響で岩が湿っぽく靴のフリクションを効かせて登るところは少しヒヤリとしました。
頂上からの下山に使うチムニーも濡れていた為、安全策として4mほど懸垂下降をして下山路へと向かいました。15分ほどで取り付きに戻られます。
その後は十一面岩末端壁にある「調和の幻想」の1ピッチ目を登りました。
Kさんが最初に登り見事オンサイト。ジャミングも綺麗に決めており危なげない登り方です。
私は最初のオフウィドゥスを半身を入れて登ろうとしましたがなかなか登れません。諦めて右側にあるフレークを使いレイバック気味に登りました。その後のクラックはハンド、フィストジャムを決めながらフラッシュにて完登出来ました。
寒さとの戦いとなった今回の瑞牆山はとてもいい経験となりました。次回訪れるのは来シーズンとなりますがそれまでにムーブなどの技術を磨きたいと思います。
三条店 藤本
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